昭和7年(1932)
○往航の乗船は第一隊龍田丸(陸上男子、水上男子競泳)第二隊大洋丸(陸上女子、水上ウォーターポロ、女子競泳、ダイビング、漕艇、ボクシング、レスリング、ホッケー、体操)。第一隊は満足な航海を続けたようだ(が、第二隊は選手団の不満が強かった)。船内をかなりの程度自由に使用しうるものと予想していたが、出帆後船内使用規定を聞いて唖然。「特殊の好意」によって一等デッキを使用できるのは限られた練習時間のみで、それ以外は厳格な船内規定で乗客の等級を厳密に主張励行されたため、30〜40坪の日陰のないデッキに50脚以上の椅子を並べて炎天下に転寝をむさぼる航海だった。総じて大洋丸の幹部諸公は一行に冷淡な印象を与えた。
(「第十回オリムピック大会報告」 大日本体育協会 1933 p275)